ひさびさの記事更新になりますが、最近は行動経済学や心理学などデザインと関係ある分野の知識をえるべく読書やリサーチに時間を割いています。2018年の目標としてもデザインに付随する知識の吸収をいれています。(とりあえずインプットのみ)
今までブログでもわりと技術よりのことしか書いてこなかったのですが、これからは学問や知識について書いていきたいと思います。
マズローの欲求段階説
みなさんもよく耳にするであろうマズローの欲求段階説。
デザインというよりマーケティングの施策を考えるときにユーザー、消費者の行動を考える際に使用されることが多いかと思います。ユーザーがどう考え、どう行動するかを経験則ではなく心理学の観点からアプローチすることで、より説得力のある施策ができるかと思います。
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。
心理学者のアブラハム・マズローが提唱しており、「マズローの欲求段階」、「自己実現理論」とも呼ばれることがあります。
階層はピラミッド状になっており、下記のように高次の欲求を上から順に並べます。
- 自己実現欲求
Self Actualization - 承認(尊重)欲求
Esteem - 社会的欲求 / 所属と愛の欲求
Social needs / Love and belonging - 安全欲求
Safety needs - 生理的欲求
Physiological needs
第1段階:生理的欲求
生きていくための基本的・本能的な欲求のこと。例:食欲、睡眠欲などの欲求。
生命の維持に必要不可欠なものであり、現代社旗で人類がこの段階にいることは一般的ではありません。
第2段階:安全欲求
安全・安心な暮らしへの欲求のこと。
例:病気や事故、健康状態の維持、経済的安定
幼児にはこの欲求がはっきり見られますが、大人になるにつれこの欲求を抑制するように教えられ、そのように行動するので基本的に次の欲求へと移ります。
第3段階:社会的欲求
身近な人や社会から必要とされたい、受け入れられたい欲求のこと。
安全欲求が満たされると、集団に属したり、仲間が欲しくなったりなどの社会的欲求を求めるようになります。この欲求はあくまで前段階の欲求が十分に満たされている状態のときに現れます。
この欲求が満たされないと、孤独、追放、拒否、無縁などといった孤独感や社会的不安を感じるようになります。(うつ状態になることも)
第4段階:承認(尊重)欲求
他者から認められたい、尊敬されたいという欲求のこと。
この欲求のレベルは2段階に分けられ、
低いレベルの尊重欲求
他者からの尊敬や地位や出世、名声などを得ることによって満たすことができる欲求。
高いレベルの尊重欲求
技術や知識、能力の習得などを得ることで満たされる欲求で、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視されます。この欲求が妨害されてしまうと、劣等感や無力感などの感情が生じます。
現代人の多くの人がこの段階の欲求にいるのではないでしょうか。
Instagramでのいいねへの執着などはまさに自分が優れた存在であるということを他人に認めてもらいたいという欲求からうまれる行動だと思います。(例外もあると思いますが)
この欲求をうまく満たせるような機能や仕掛けがあるとサービスがグロースしていくかと思います。
第5段階:自己実現欲求
あるべき自分になりたいと思う欲求のこと。
自己啓発行動、創造性などの発揮、自分の可能性の探求などがこの欲求に含まれており、すべて行動の動機がこの欲求に帰結されるようになっています。
サービスをローンチして、社会問題を解決したい、ボランティアで社会や他人に貢献したいなどが例にあげられます。
この段階にいる人はかなり少ないというかまだあったことがありません。メディアに露出している有名人の方はこの段階の方がいるように思えますが、本当にこの段階なのか、演じているのかは定かではありません。
基本的にこの段階にいる人をターゲットにしたサービスをやることがないので特に考えなくても良いでしょう。というか自分がこの段階に行っていないので、この段階の人がどのように考え行動するか検討もつきません。。。
注意すべきポイント
あくまで「説」であるということ
知識を得たあとにすぐそれを使いたいたくなる気持ちは十分わかりますが、マズローの欲求段階説はあくまで「説」なためそれは肝に命じておく必要があります。
また、この説では低次の欲求が満たされてから順に高次の欲求に移行するとしていますが欲求は同時に現れたり、順番を超えて現れたりします。
例として、「今流行りの美味しいパフェを食べたい」という欲求があった場合、
・お腹を満たす(生理欲求)
・インスタにあげて自慢する(承認欲求)
のような複数のレベルの欲求が同時に出現します。
ユーザーが何を求めているのか?というのを知るには、この説に当てはめるだけでは不十分な気がします。
参考のために知っておくレベルで良いのかなと思います。